存在感のある分譲マンション
「造注」といいます。
建築会社は建築工事を請け負うのが仕事で、コストと技術力で勝負するのが本来の姿であるはずですが、バブル経済最盛期の当時は、どこも不動産屋と化してしまいました。
建築会社が土地を際限なく仕入れ、その土地を担保に金融機関から巨額の資金を借り受けたり、あるいは、債務保証を行なうことによってデベロッパーに必要資金を借りさせたのです。
採算の見込みのない安易なプロジェクトを次から次へと立案し、その工事をすべて自分で受注するのですから、これほどおいしい商売はありませんでした。
しかし担保となっていた土地の価格が暴落すると、借入金は返せないし、債務保証の責任も果たせないという事態に陥り、建築会社はどこも青息吐息の状態に陥っているのが実情です。
本来の役目を忘れ、虚業に走ったツケがいま、まわってきているのです。
こうしてほとんどの建築会社は、ただでさえ経営が悪化しているのに加え、仕事量が激減する危機に直面しています。
1998年には、政府の財政再建の方針のもとに、公共事業費が大幅に削られることになっているからです。
受注量が減少すれば、元請けとなる大手建築会社はもとより、下請けや孫請けとなる中小の建築会社も受注を確保するために経費を削減するなど、死に物狂いで請負金額を削ってきます。
必要な資材を間引いたり、大工など職人の人減らしを行なったりして、手抜き工事をする建築会社が続出してくる可能性が出てくるのです。
そうなると、結局、国民が被害を受けることになります。
すでに政府は、1998年度の予算で公共事業費を7%以上削減することを決めていますが、この予算の削減によっていちばん影響を受けるのは、もちろん公共事業に頼っている建築会社です。
ある経済研究所の試算によれば、公共事業費が7%削減されれば、実に60〜70万人の建築業従事者が職を失うことになるそうです。
建築業界は金融業界と並んで大リストラ時代を迎えているのですが、こういう時代こそ、一般消費者は自分の目で、手抜き工事や倒産の恐れのない優良な建築会社を選ぶことが求められるのです。
自己責任に欠ける建築業界の体質は、日本の社会全体についてもいえることです。
国民が馴れ合いの社会を改めて、自己責任に目覚めなければ、いま話題となっている規制緩和も遅々として進まないでしょう。
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